クローンウォーズBlu-ray

コメンタリーが面白い

映像特典である制作秘話は、監督 デイブ・フィローニ、シリーズ構成 ヘンリー・グルロイ、デザイン&コンセプトアート キリアン・プランケット、サウンドデザイナー デヴィッド・アコード、スーパーバイジング・サウンンド・エディター マシュー・ウッドが登場して語られるのだが、まずデイブとヘンリーの旧3部作への愛が感じられる。
戦闘のアイデアや惑星のコンセプト、見せ場的な物は旧三部作からの引用が多い。逆にジェダイの教えやキャラクターの性格づけは(当然だが)新三部作から持ってきている。そのバランス感覚はとても共感出来る。誰よりもスター・ウォーズマニアで、他のファンが”俺ならこう思う”と言うのを先取りしているのがいい。特にジャージャーに関してとか。元々8話の「型破りなジェダイ」でジャージャーを出したいと言ったのはルーカスだったらしいが、口には出さない物のデイブたちは”この話でみんなジャージャーを気に入ってくれると思うよ”と何度も念を押し、暗にEP1のジャージャーは失敗だったと、マニアなら皆思っている事を代弁してくれる。この辺が痛快。


また、ルーカスが若手のアイデアやデザインをどんどん取り入れて、更に面白くしている様子が端々に見えて面白い。デイブとルーカスの丁々発止のやりとりとか。これは2話のプロクーンが真空中に出て戦えるのか?と言うディベートらしいが、ルーカスが「真空中で戦えるのか?」と問えばデイブが「彼はエイリアンだから大丈夫だ」そこにルーカスが「私の6部作では出した事が無い」と答えるとデイブはEP3の「グリーヴァスはどうなんです?(宇宙船の窓を割って真空中に出て行くシーン)」と問い詰めルーカスが「彼はロボットだ」更にデイブが「サイボーグでしょ」みたいな。デイブは”ルーカスはそう言うやりとりを楽しんでいるんだ”と言っていたが、EP1からEP3では周りにイエスマンばかり揃えたからそう言う、内容を詰めていく作業は無かったんだろうなと改めて思う。


キリアン・ブランケットは、各エピソードのデザイン面の解説をしてくれるのだが、第10話「グリーヴァスのアジト」で竹内敦志の関わったデザインワークを並べていた。グリーヴァス、バトルドロイド、スーパーバトルドロイド、トワイライト、グリーヴァスのペット”ゴア”。それに語ってはいないが共和国アタックシャトルも竹内氏だ。


またデイブの言葉から、旧作のラルフ・マクウォーリーからの引用も多く、心くすぐられるのも良くわかる。
ヘンリーの言葉で「子供の頃は誰でもやった、デススターの突撃シーン」と言う台詞があって、マレボランス編のYウイング編隊はそこが原点らしい。「誰でもやっただろ」ってのが笑えて、しかも愛を感じる。Yウイングはデイブの、EP4のYウイングはクローン戦争で退役した機体だと昔から思っていた、とここも原体験をベースに。デザイン画も下地にYウイングオリジナルを置いてその上にデザインされている。


画面に見えない所では、初期段階でデザインの流用が多かったり登場人物が限られたりしているのは、時間が無くてデザインをしている事が出来なかったと語られている。5話で「ルーキーズ」が来るのもそのせいだという。流用デザインが多めの話数が前半に集中しているのはそう言う理由。またルミナーラのライトセーバーのデザインが間違っているのも、時間が無くて直せなかったと言っている。そこは誰も気がつかないよ! とも思うが。再登場出来れば直したいと言っていた。

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NHKハイビジョン版

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